一休は、特定非営利活動法人ジャパンハートの理念に共感し、2019年よりサポーターとしてその活動に参加しています。同団体のミッションは「医療の届かないところに医療を届ける。」こと。その言葉からは国際医療ボランティアを連想しがちですが、“医療の届かないところ”の一つとして掲げる「病気と向き合う子どもたちのこころ」という言葉に、ハッとさせられました。豊かな日本で、私たちのすぐそばで生活している病を持つ子どもたちのこころにも、医療は必ずしも届いてはいないというのです。
ジャパンハートが運営する「スマイルスマイルプロジェクト」は、日本国内で小児がんと向き合う子どもたちとそのご家族の「豊かな体験」を支援するプロジェクトです。私たちはこの活動に深く賛同し、一休ならではの資源をサポートに変え、提供しています。今回は、その中心となって活動する「スマイルサポートチーム」メンバーのお話を聞きました。

▲一休「スマイルサポートチーム」(左から、呉 一紗さん・坂田 美緒さん)
呉:「スマイルスマイルプロジェクト」の取り組みの一つに、小児がんのお子さんとそのご家族が思い出をつくる“個別旅行”のサポート活動があって、私たちは宿泊事業の知見を活かしてその活動のお手伝いをしています。
旅行を希望されるご家族からの依頼を受け、ジャパンハートさんの方でエリアや宿のカテゴリーなどの詳しい要望を聞いてもらって、そこから私たち一休のメンバーが動きます。
治療中のお子さんも多いので、車いすで利用できたり、感染症のリスクが少ない個室での食事が必須だったりと、どうしても制限が多くなります。そこで、私たちのノウハウをもとに、「こういうお宿さんもありますよ」と最適な宿泊施設をご紹介しています。
坂田:難しいのは、旅先での病院ですね。小児がんに対応できる病院は限られているので、希望エリアと病院との距離感といった制約もあります。そうなると必然的に候補が限られてくるので、こちらから2~3件を提案して、その中から選んでもらうという流れです。
坂田:「スマイルサポートチーム」は2021年4月に発足したのですが、私たちはその時に手を挙げて参加したメンバーです。
一休は、「スマイルスマイルプロジェクト」の宿泊費用として、2019年から一休ポイントを寄付しています。2021年3月に、ジャパンハートの理事長でこのプロジェクトの事業部長も務められている小児科医師の吉岡春菜先生が、「IKYU MANABIBA」で活動の様子を講演してくださって、そこから社員も関わる機会が広がりました。
坂田:春菜先生のMANABIBAで団体や活動のことを知って、自分も何かしたいなと思いました。ただ具体的に何ができるかってあんまり思いつかなかったんです。そういうときに募集があって、これだったら私も協力することが少しでもできるかなと思って立候補しました。
呉:私は、ちょっと遡るのですが……。幼少期に香港のインターナショナルスクールに通っていて、ダイバーシティというのが教育に組み込まれていたので、ボランティアをすることが当たり前の環境でした。中学生の時にケニアに行ったんですけど、それがけっこう壮絶な現場で、世の中にこんなにも助けを必要としているのに助けてもらえない人たちがいるんだと身をもって知りました。そこで、私はお医者さんにはなれないかもしれないけど、募金活動やボランティアという形で支援していこうと思いました。何より、自分がおかれている環境に対して有難いと思ってせいいっぱい生きていくことはできるなと、意識が変わるターニングポイントとなる原体験でした。
ですが、社会人になって日本に来てからは、裕福な国ということもあって貧しい子や病気の子のための団体をあまり知らないまま過ごしていました。そんなときにジャパンハートのことを知って、春菜先生のMANABIBAのあとに公募があったので、何かしらの貢献ができるのであればと思い、プロジェクトに応募しました。

坂田:私にとっては、いろんな状況のお子さんやご家族がいるんだなと知るきっかけになったことが大きいです。その中で、つかの間のひと時ですが、その旅行がご家族にとってかけがえのない思い出になって……。旅行の後、ジャパンハートを介してお手紙や写真をいただくことが多いのですが、複雑な気持ちというか、かみ砕けない感情が溢れてきて涙が出ることもあったりします。でも、そういうご家族の貴重な時間に少しでも貢献させてもらえているんだなということが嬉しいですし、もっとたくさんお役に立てたらいいなと、前向きな感情が多いです。
この前の吉岡秀人先生のMANABIBAでも、家族の楽しかった時間を残すことが、本人にとっても家族にとってもすごく大事なことなんだというお話をされていましたが、それはこの活動を通してすごくわかります。写真を見せていただいて、そうやって思い出として残せるということがどれだけ大事かというのを理解できるので、これからもそういう素敵な時間を過ごしていただけるための最適な提案をしていきたいです。
呉:そうだよね。旅行後のご家族からのメッセージを見ると、微々たるところではあるものの、人生を豊かにするところで何かしら貢献できたかなと思うと、不思議と自分の方が勇気づけられる気がしています。
あとは、お子さん自身もそうですけど、そのごきょうだいも一緒に楽しんでいる姿が心に刺さりますね。みんなで「温泉楽しかった」とか「ベッドでジャンプして楽しかった」とか、そういう当たり前のことを喜んでくれるのを見ていると、関われてよかったなと思います。
呉:ジャパンハートとの取り組みで、今だと本当に最低限のことしかできていないのですが、宿選びだけじゃなくて、本格的なボランティア活動の場でも貢献していきたいですね。普段は仕事に謀殺される日々ですが、ボランティア活動をすることで自分も得るものがあるし、他の人も助けることができる。そういうリアルな接点をもっと持っていけたらと思っています。
たとえば、病室をデコレーションするとか、手作りの絵本をプレゼントするとか――。お子さんやごきょうだいの気持ちのケアをすることで、その喜んでいる顔をご両親にも見てもらうことができると思います。そういうところで、時間と想いの寄付というんですかね。そういうことをもっとやっていけるといいなと思っています。
坂田:私は「スマイルサポートチーム」に参加したことで小児がんやこのプロジェクト自体のことを知り、関わっていく中でとてもすてきな取り組みだと実感しています。でもそれは、寄付等の資金がないとできないことなので、企業とか個人とか、より多くの人に知ってもらえたら、いい思い出を作れるご家族が増えるのかなと思います。お子さんたちには旅行以外にもやりたいことってあると思うので、多くの企業が関われたら旅行以外の楽しみが作れそうですよね。
呉:たしかに。一休だから旅行関係で協力することができているけど、もっと知名度が広くなって、いろんなジャンルの企業がそこで協力をすることができたら、やれることの幅がもっと広がって来るんじゃないかなと思います。
坂田:具体的な話しで言うと、私たちからすると「源泉かけ流し」と「源泉100%かけ流し」が違うっていうのは当たり前の知識なんですけど、業界の方でなければ「え?そうなの?」ってなると思います。100%でないと感染のリスクが高いので、私たちはそこに着目して宿選びをすることができるんです。それぞれの業界に、一般の方が知らない常識とかってあると思うので、そういうのを持ち寄ってサポートできるといいですよね。私たちにとっては、「源泉かけ流しか。100%なのか」くらいのかんじなんですけど、それがお子さんにとっては命に関わることなんだって、自分たちも勉強になっているというか、かなり貴重な経験だなと思います。
坂田:そうですよね。活動を広めていくっていう意味での知名度もすごく大事だと思うんですけど、いざ自分事になったときにこういった活動があるって知って救われる人もいるだろうなと思っています。なので、活動を広めるという目的だけでなく、そもそもの知名度が上がるといいですね。
呉:聞けば「ああ知ってる」となる。それくらい「スマイルスマイルプロジェクト」が当たり前の言葉になるといいですよね。
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