2025年5月26日、一休の社内イベント「IKYU MANABIBA」に、特定非営利活動法人ジャパンハートの最高顧問であり、現在もミャンマー、カンボジア、ラオスで無償の医療活動を続ける小児外科医の吉岡秀人先生をお迎えしました。今年11月にはカンボジアでの新病院開院も控える多忙な中、駆けつけてくださった吉岡先生に、社員一同、心からの感謝を申し上げます。
「IKYU MANABIBA」は、一休社員が社外の第一線で活躍する方々と交流し、ざっくばらんな“ここだけの話”から学びを深めることを目的とした企画です。
一休は2020年より、小児がんと闘う子どもたちを応援する「スマイルスマイルプロジェクト」に参加しています。宿泊施設の知見とリレーション、そして一休ポイントの仕組みを活かし、病と闘うご家族の思い出作りをサポートしています。一休ならではの強みを活かした支援を通じて、「すべての人が、生まれてきて良かったと思える世界」の実現に向け、ジャパンハートと共に取り組んでいます。

第1部では、吉岡先生による講演が行われました。医師を志した理由から、人生の岐路、日々の葛藤、そして「人生の豊かさとは何か」について、スライドを交えながら語っていただきました。現地での過酷な医療活動を通じて得られた、人間の強さや弱さ、豊かさ、そして人生との向き合い方など、私たちにとって非常に多くの学びがあるお話でした。
続く第2部では、社員からの質疑応答が行われました。どんな質問にも真摯に、そして丁寧に答えてくださる吉岡先生の姿勢に、参加者それぞれの心に深い想いが刻まれ、まさに最高の「MANABIBA」となりました。
世界でご活躍されている吉岡先生が、一休社員だけに語ってくださった質疑応答の内容から、ほんの一部を抜粋してご紹介します!
社員①:これまでの活動の中で、人間の強さについて印象的なエピソードはありますか?
吉岡先生: 私たちは医療が届かない開発途上国で支援活動をしています。例えば、ミャンマーでは水害が頻繁に発生し、深刻な被害を引き起こしています。加えて、現在は情勢が不安定な状況下にありますが、自分たちで生き抜くという強い意識を現地の人々から感じます。
強さだけでなく弱さも人間らしさの一部であり、どちらも素直に受け入れて生きることが重要かもしれませんね。
社員②:医療支援を通じて見えた豊かさや貧しさについて教えてください。
吉岡先生: 日本では他人や政府に依存しがちな傾向があるように感じます。経済が下降すると、依存や期待が増えて苦しくなる印象がありますね。
若い時に、1ヶ月全く食べなかったことがあり、水しか飲みませんでしたが、元気に毎日手術をしていました。「1ヶ月何も食べることができないことがある」「水さえあれば1ヶ月は何も食べずに元気でいられる」ことを知ったことで、今後何か起きても「食べられない」ことへの恐怖がなくなりました。
お金も一緒ですよね。
自分が生きていくためにどれだけのお金が必要なのかを分かっていれば、たとえ手元のお金が大きく減ったとしても、「まだこれだけあれば十分」と冷静に判断できますよね。どれだけのお金が必要なのかを知らない人は、手元に3億円残っていたとしても不安になります。
だから、「知る」ことが大事だと思います。]
社員③:吉岡先生ご自身の「生と死」については、どのように考えられていますか?
吉岡先生: 人生はいつ終わるかわからないので、本質的な幸せだけを求めて生きたいと考えています。
自分の周囲にいる人々が人生の質を決めるのだとすると、幸いにも私の周りには、お金を求めず、むしろお金を出してでも、純粋に困っている人のために働きたいという人たちが何百人もいらっしゃいます。
そういう人たちと、金銭的な報酬よりも、人のために働くことの意義を重視して生きていきたいですね。
社員④:30代でミャンマーに行く時に、恐怖や不安はなかったですか?
吉岡先生: むしろ若かったから行けたのだと思います。ある程度年齢を重ねると利口になって、すぐそばにあるリスクに気が付けるようになるのですが、若い時って気が付かないものなのですよね。だからだと思います。
私は、30歳までに「雪だるま」を大きく作った方が良いと考えています。家庭を持ち、子どもの教育費や家族について考えることが出てくる前に、大きな玉を作る必要があります。
医療者で言うと、30歳から35歳の間に雪だるまは斜面を転がり始め、だんだんと加速して、最後はバウンドします。斜面を転がり始める前の雪の玉が小さいと、玉は大きくなりません。そのため、ワークライフバランスを検討するのは35歳以降をおすすめしています。
加えて、人生にとって大切なファクターの一つに、体力があると思います。体力がないと集中力が落ち、吸収するものも全て落ちていきます。感度も若い時が圧倒的に優れているので、若い時は圧倒的に吸収をした方が良いと思います。

最高の「MANABIBA」をありがとうございました!
ジャパンハート創設者・小児外科医
大阪、神奈川の救急病院等で勤務。1995年、単身ミャンマーへ渡り医療支援活動を開始。その後一時帰国し、2003年にミャンマーで活動を再開。2004年に国際医療ボランティア団体「ジャパンハート」を設立。2021年には「第69回菊池寛賞」、2025年には「第49回正力松太郎賞 特別賞」を受賞。 著書に『救う力』、『命を燃やせ ~いま、世界はあなたの勇気を待っている~』などがある。
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